体外循環を用いた開心術について(僧帽弁閉鎖不全症、先天性心疾患)

2017年03月09日

犬の心臓病で最も多いのが僧帽弁閉鎖不全症という病気です。これまでのところ、獣医学領域において僧帽弁閉鎖不全症の治療はお薬を使った治療(内科的治療)が主流であり、手術による治療(外科的治療;腱索再建、弁輪半周縫縮術)は限られた施設で実施されていました。距離的な制約、費用的な制約のため、当院では外科治療が推奨される僧帽弁閉鎖不全症のワンちゃんであっても内科的治療しか受けさせてあげられない状況が続いていました。この状況を打破するため、当院では他施設の先生方(三好インター動物病院の伊原木先生、いぐち動物病院の井口先生)と協力し、体外循環を用いた僧帽弁閉鎖不全症の外科治療を実施できるようになりました。また、生まれついての心臓の病気(先天性心疾患)のうち、開心術で根治できる可能性のある病気がいくつかあります。このような先天性心疾患に対しても体外循環を実施することができます。
すべてのワンちゃんが手術適応となるわけではありませんが、まずは一度当院にご相談下さい。

編集済MR風景 心房縫合編集済 心臓 腱索の確認 弁輪半周縫縮編集済み 弁輪径編集済み